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【東大阪】瓶ビールと水餃子、俺の一番はここ。【中華料理 ポパイ】

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布施のまちには、“それぞれの一番”がある。夜のネオンがゆらめく頃、ふらり吸い寄せられるように入った中華屋「ポパイ」。

湯気の向こうにいたのは、気取らない味と、それを支える人たちのあたたかさ。水餃子、レバにら、どーんと唐揚げ。どれも、ただの料理じゃなく、まちの記憶をつなぐ手ざわりだった。

あのネオンに呼ばれて

布施駅から南へ徒歩5分。賑やかな喧騒がふっと静かになったところで、赤と緑のネオンがぼんやり浮かんでいる。「ポパイ」と書かれた文字は、少しかすれていて、それがかえっていい。

店先には、空き瓶、簡素なイス、寄せられた灰皿。きっちり整えられた風景じゃないけれど、こういう雑多さが、なんとも落ち着く。きっと誰かの昨日の名残り。まちの生活がそのまま染み込んでいる。

扉を開けると、あったかい空気と一緒に、じんわり懐かしい匂いがした。

「布施で一番うまい中華は?」

そんな会話が、このまちではよく交わされる。そこで名前が挙がるのが、ここ「ポパイ」。

もともとはL字カウンターだけの小さな店。今では隣の空き店舗を増床し、テーブル席がいくつか並ぶようになったけど、黄色いカウンターとマル椅子の景色は、ずっと変わらない。

背筋を伸ばす必要のない店。どこかの帰り道みたいな、肩の力が抜ける場所。だから、「一番やろ」って言いたくなるんだと思う。

水餃子は、はじめましての合図

まずは、水餃子。これが、間違いない。

むっちりとした皮に包まれた餡を噛むと、肉汁がじゅわっと溢れる。酢醤油にラー油をたっぷり、が定番だけど、酢醤油+黒胡椒って食べ方も、クセになるうまさ。

その秘密は、餡に含ませた出汁。毎朝、鶏ガラから丁寧にとるスープを、息子さんが静かに、でも手際よく肉だねに練り込んでいく。

目立たないけど、しっかり支えてる味。その感じが、この店そのもののような気がする。

音と匂いごと味わう、レバにら炒め

「ジュワッ」という音とともに、鉄鍋が火にかけられる。カンカンと鳴る金属音。広がる香ばしさ。注文してからの数分間も、ちゃんとごちそう。

レバにらは、レバーがぷるんとやわらかくて、ニラの香りが食欲を引き立てる。瓶ビールを片手に、湯気ごとかきこむ時間。「うまい」って言葉じゃ足りない、生活の味がした。

看板メニューは、唐揚げどーん

「ポパイ唐揚げ」。名前だけじゃ伝わらない、このインパクト。

ピリ辛のあんかけ野菜炒めの下に、どーんと7個の大ぶり唐揚げ。豆板醤が効いたあんが、カリッと揚がった衣にとろりと絡む。

辛さ、甘さ、肉のジューシーさ、カリッとした食感──口の中で、それぞれが自由に踊っているみたいだ。ボリュームもすごい。「今日はこれだけでええか」って、思える一皿。

あの頃のあだ名が、看板になった

「なんでポパイって名前なんですか?」と聞いたら、大将がちょっと照れくさそうに笑った。

「それは……俺のことや」

若い頃、がっしりした体格で“ポパイ”と呼ばれていた大将。店を始めるとき、何気ない会話のなかで誰かが言った。「ポパイでええやん」──それで決まった。

「○○飯店」みたいな名前じゃないのが、かえっていい。「ポパイの前集合な」って言われると、なんかうれしい。そう言って笑う大将が、少しだけ誇らしげだった。

味の奥に、記憶がある

この店の味は、点数やランキングでは測れない。いつものチャーハン。帰り道の餃子。疲れた日のレバにら。そういう記憶が、じわじわと積み重なって「好き」になる。

友だちと笑いながら唐揚げをつついた日。一人で水餃子をゆっくり噛みしめた夜。

どれも、その人だけの“味の記憶”だ。

「布施で中華といえば?」と聞かれたら、きっとこう答える。「やっぱり、ポパイやで」

ライター紹介

SEKAI HOTEL Deep Osaka Experience(SEKAI HOTEL 大阪布施)
東大阪・布施商店街の空きテナントを客室にリノベーションし、近隣の飲食店や銭湯での”日常”を旅の一部として楽しむ「まちごとホテル」。観光地では味わえない、まちの日常の魅力を発信しています。
公式HP:https://www.sekaihotel.jp/area/fuse
Instagram:https://www.instagram.com/sekaihotel

   

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